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第4期のりたま名人戦第2局


―――「幸いなるかな、貧しき者よ。髪の国は汝のものなり」―――”ルカ福音書?”




 平成29年6月17日 深夜


 カド番に追い詰められた挑戦者が、悪の帝王を滅ぼすべく苦心していたそのころ、、、




 ~とある将棋居酒屋~


 壁にかけられたテレビにはのりたま名人戦の中継が映されている。


 ~カウンター席~


 ビールがそそがれたコップはテーブルに水たまりをつくり、
 料理は湯気を出さなくなって久しい。
 そこには一人の柑橘類がうなだれていた。


さ「どうしよう・・・」

タ「あれ、どうしたんですか?」


 王冠の人が柑橘類に近づき、隣に座った。

タ「今やってるのりたま名人戦の観戦記を担当してましたよね?
  こんなところに居ていいんですか?」
さ「タップさん見てくださいよ、この局面」
タ「・・・角換わりですね」
さ「そうなんですよ・・・何も知らない私が記事書くなんて・・・
  だいたい最近のタイトル戦は相居飛車ばっかり。
  飛車を振れと声を大にしていいたい」
タ「まあまあ、そう言わずに。ほら局面が動きましたよ」










 ・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・

 先手(挑戦者) 投了


 第4期のりたま名人戦 名人防衛(2-0)



タ「名人防衛ですね」
さ「先手は何が不味かったんですかね」
タ「ポイントごとに見てみましょうか」



※局面図の対局者名記載:本譜手順は有、参考手順は無で区別

《1》
下図以下の指し手

△65桂 ▲68銀 △86歩 ▲同歩
△44角 ▲66角 △86飛 ▲44角
△同歩 ▲88歩


2017-a.jpg



タ「上図以下①▲88銀△39角▲38飛△57角成で潰れ。
  ②▲66銀△86歩▲同歩△同飛▲87歩△76飛(下図)の局面がどうか」


2017-b.jpg



タ「▲87歩に飛車を引くようでは何をやっているのかわからないので
  △76飛は当然。上図は既に先手自信ないような気がします。
  黙っていても△86歩▲同歩△87歩や△66飛▲同歩△39角と
  一方的に場を荒らされるので実戦的にしんどいかなと・・・」
さ「私もそう思います。△66飛と切られてからの一方的な受ける展開は、
  先手が面白くなさそうです」
タ「となると本譜の△65桂に▲68銀とするのは
  止む終えない変化だったという事になりますか」
さ「▲68銀はこれしかないという手でしょうね。
  ただ、それで先手が悪いみえなかったです。
  後手から早い攻めがあるのかなと」




《2》
下図以下の指し手

▲73角 △35歩


2017-c.jpg



タ「これでダメなら先手持ちたくないです。
  ▲66歩問題は大丈夫だったのでしょうか?」
さ「感想戦の解説で▲87歩(上図で▲88歩が▲87歩になった局面)
  △76飛▲66歩△86歩で先手が潰れるのはわかったのですが、
  私もここで▲66歩は気になったんですよね。
  これだと△87歩は手抜けるんじゃないかなと。
  本譜の▲35歩も飛車の横利きがあってこその仕掛けですよね。
  ▲66歩を取れないようじゃ△73角が十分間に合いそうです」
タ「という事は上図で▲66歩と突けば、
  先手がペースを握れたという結論になりますね。
  本譜は先に▲73角を決行したため、△35歩→△54角をくらったと・・・
  それでも観戦中は先手乗りでした」
さ「そう思います。と金を軽視していました。こんなに厳しいとは」




《3》
下図以下の指し手

▲同歩 △54角


2017-d.jpg



さ「あとは上図がポイントだったかなと。
  これを▲同歩と相手したことで、後手のペースが決定づいた印象です。
  ▲66歩か、打ったからには▲9一角成か迷います。
  どちらが優るかすぐには判断できないですね」
タ「手の流れからすれば香車拾うのが人間という感じですよね。
  ▲66歩突いたら△36歩▲同銀△54角の処置が若干面倒臭いですし、
  桂取りの効果も期待薄の可能性が・・・
  36取り込まずに角打つなど変化された場合、よくわかりませんけど」
さ「もう今▲66歩ついても逆に危なそうなのは同意です。
  そうか。取り込まずに△54角(下図)もありますね。すでに先手大変なのかな」



2017-e.jpg



タ「実際の形勢はよくわかってないのですが、
  実戦的に先手勝ちにくい作りの将棋なのは間違いないと思います。
  これ後手は気分的に楽な将棋ですよね。
  攻めを切らさなければいいという方針でいけますし・・・」
さ「先手が角を手放してるのが大きいですよね。
  強い反撃が無いので攻めに専念できます。
  指した本人は流れで仕掛けたと言ってましたが、
  73の地点に隙を作ったのが罠っぽいです」
タ「たしかに、、、やはり、この形に明るいという事なのでしょう」
さ「その手は大したことが無いという感覚なんでしょうね。
  明るいのはほんと大事です(´・ω・`)」



2017-f.jpg





《4》

タ「▲77歩△36歩▲同銀(下図)の展開で悪いなら、
  もう何をやっても厳しいように思えました」
さ「おそらく先手最速の攻めである飛車取ってからの攻めで
  間に合わないのであれば、受けるしかないでしょうけど、
  それはただ受けるだけになると思います。まさに、何をやっても厳しい、ですね」


2017-g.jpg


タ「流石に△36同角なら飛車取って良いと思いたいですから
  △46飛ですよね。▲47銀に△86飛と引きあがるぐらいかなと。
  ▲87歩を入れるのかどうか微妙ですが、
  いれてもいれなくても36地点ずっと狙われて受けにくいです」
さ「なるほど。△86飛に▲87歩でも△36歩で今度はいよいよ受からないですね」


カ「▲87香車じゃなく▲56香だと?」
タ・さ「兜さん!」
カ「楽しそうだったので来ちゃいましたよ」
タ「      」
さ「      」

 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・

 かくして、今宵も人々は将棋を指す。

 いつの日か悪の帝王を滅ぼす勇者が現れるのか。

 ・・・勇者はあなたかもしれない。


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コメント

悪の帝王が勝ってしまった
途中まで先手受け切れる気がしたけどなぁ

No title

次回の挑戦者に期待するほかありません(´;ω;`)

おそらく先手が正確に指せば勝てるんでしょうけど
実際問題受けきるのは大変ということでしょうね

観戦記ありがとうございます!

観戦記ありがとうございます!
角換わりは全然わからないので助かります(o^^o)
しかし後手の攻めはなかなかに厳しかったのですねぇ、難しいです...
悪の帝王を倒す勇者を待つしかないですね

あときゃに囲いの記事ありがとうございます!いつも読ましてもらってます!

No title

角換わりはわっちもさっぱりです。
タップさんが居てくれて助かりました(`・ω・´)

解説は頼りっきりで、この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
タップさん、コラボありがとうございました。



きゃに記事を読んでもらってありがとうございます(*´∀`*)

記事作成お疲れ様です

さふぃさん、タップスダイスさん記事作成お疲れ様です。
とても良い記事で対局者もさぞかし喜んでいることかと思います。

引き続きのご活動をかげながら応援しています。

No title

応援ありがとうございます(*´∀`*)

ぜひ例会にも遊びにきてくださいね

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